8月・葉月の開運ガイド
8月・葉月の開運ガイド
空を見上げ、手放して、新しく始める月
2026年(令和8年)8月
うだるような暑さの盛りに、ふと吹く風がやわらぐ。日が落ちる時刻が、少しだけ早くなる。8月は、一年でもっとも暑い時期でありながら、暦の上では静かに秋が動き出す、不思議な月です。
そして今年の8月は、空がとりわけよく動きます。月のはじめに日食が起こり、同じ夜に流れ星が降りそそぎ、月の終わりには月食が空を彩ります。地上では、立秋が暦の秋を告げ、お盆が「迎えて、敬い、送る」という一年の節目を運んできます。
見上げても、暮らしの中でも、8月は「手放して、新しく始める」ことのめぐる月。今回はその豊かなリズムを、暦と星の両方からご紹介いたします。
「葉月」という名前に込められた意味
8月の和風月名は「葉月(はづき)」。由来には諸説ありますが、もっともよく知られているのは「葉落ち月(はおちづき)」が縮まったという説です。旧暦の8月は、今の暦では9月から10月ごろにあたり、木々の葉が色づき、静かに散りはじめる頃でした。
葉が枝を離れるのは、木が弱ったからではありません。次の春に新しい芽を吹くために、いったん手放すのです。「葉月」という名前には、手放すことと新しく始まることが、もともと一つに結ばれているのかもしれません。8月の過ごし方を考えるうえで、心にとめておきたい言葉です。
二十四節気 立秋と処暑
立秋(りっしゅう) 8月7日 20時43分
「立秋」は、暦の上で秋が始まる日です。国立天文台によれば、2026年の立秋は8月7日20時43分(日本時間)。まだ厳しい暑さの真っただ中ですが、この日を境に、季節はゆっくりと秋へ向かって傾いていきます。
平安時代の歌人、藤原敏行は、立秋の心をこう詠みました。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
「秋が来たと、目にははっきり見えないけれど、風の音にはっと氣づかされた」という意味です。目に見える変化より先に、風や光や虫の声が、季節の移ろいをそっと知らせてくれる。立秋は、そんな小さな兆しに耳をすます日です。暑さに氣を取られていると見過ごしてしまう「秋の最初のサイン」を、意識して探してみてください。
なお立秋を過ぎてからの暑さを「残暑」と呼びます。暦が秋になっても、體にとってはまだ夏。無理をせず、水分と休息を大切にお過ごしください。
処暑(しょしょ) 8月23日 11時19分
「処暑」は、暑さがようやくおさまり始める頃という意味です(8月23日11時19分/日本時間)。朝夕に涼しさが感じられ、日中の光もやわらいでいきます。夏の疲れが出やすい時期でもあるので、季節の変わり目に體をいたわりながら、少しずつ秋のリズムへ移っていきましょう。
8月のはじめ 夏土用の名残と、星に親しむ一週間
8月6日までは、まだ「夏土用」の期間です。土用は季節の変わり目にあたる約18日間で、體を休め、心身を整えるのにふさわしい時とされてきました。今年の夏の「土用の丑の日」は7月26日でしたが、8月に入ってからの数日も、土用の締めくくりとして、うなぎをはじめ栄養のあるもので體力を養う気持ちで過ごすとよいでしょう。
また、8月1日から7日は、国立天文台が呼びかける「スター・ウィーク(星空に親しむ週間)」です。梅雨が明けて空が安定するこの時期は、星を眺めるのに最適。今年はこのあと、8月がまるごと「空を見上げる月」になっていきます。
空の三重奏 8月12日から13日
今年の8月、いちばん心が躍るのは、12日から13日にかけての夜空です。 まず、8月13日未明(日本時間の2時台)に新月を迎えます。そしてこの新月は、同時に皆既日食でもあります。日食の帯(皆既が見られる地域)は、北極圏からグリーンランド、アイスランド西部、そしてスペイン北部へと抜けていきます。スペイン本土で皆既日食が見られるのは、なんと1905年以来、120年ぶりのこと。ヨーロッパ本土でも1999年以来の出来事です。
北米にお住まいの読者の皆さまへ。この日食は、アラスカからアメリカ北部(メイン州あたりまで)で「部分日食」として見ることができます(現地時間で8月12日の日中)。太陽を見るときは、必ず日食専用の遮光グラス(ISO規格のもの)をお使いください。サングラスでは目を傷めます。日本では、残念ながらこの日食は見られません。
そして同じ夜、月明かりのまったくない暗い空に、ペルセウス座流星群が降りそそぎます。三大流星群の一つで、今年は極大(もっとも多く流れる時)が8月13日11時ごろ(日本時間)。日本では日中にあたるため、見頃は12日の夜更けから13日の夜明け前です。極大の日がちょうど新月にあたるため、月明かりに邪魔されない「当たり年」。空の暗い場所なら、1時間に数十個の流れ星が期待できます。北米の読者の皆さまも、12日から13日の夜、ご自身の地域の暗い空を見上げてみてください。
新月(日食)で空が最も暗くなる夜に、いちばん多くの流れ星が流れる。これは数年に一度の、またとない巡り合わせです。
星占い(西洋占星術)は科学的に証明されたものではなく、古くからの文化的な解釈としてご紹介しています。 この日食は、獅子座の20度で起こる新月の日食です。2026年7月末に星のリズムが「獅子座と水瓶座」の軸に移ってから、最初に訪れる日食にあたります。西洋占星術では、日食(新月)は「これまでの区切りをつけ、新しく始める」節目とされ、獅子座は自己表現や創造性、心のときめきを象徴するとされます。何かを手放し、あらためて「本当の自分」で始めるのにふさわしい時、という捉え方です。
お盆 8月13日から16日 迎えて、敬い、送る
ちょうど日食と流星群の頃、日本では多くの地域が「お盆」を迎えます(8月13日から16日)。お盆は、亡くなったご先祖様の魂が家に帰ってくるとされる期間です。13日の夕方に「迎え火」を焚いて魂を迎え、16日の「送り火」で再び送り出します。京都の五山送り火は、その最も有名な行事の一つです。
宗教や信仰の違いを越えて、お盆が私たちに教えてくれるのは、「自分は、今より前を生きた人たちの上に立っている」という感覚です。今の自分があるのは、名前も知らない誰かがつないでくれた命や恵みのおかげ。その事実に静かに感謝し、そして手放して送り出す。迎えて、敬い、送るというお盆のかたちは、今月の「手放して、新しく始める」という流れと、深く響き合っています。
お盆は、遠いご先祖やルーツに思いを寄せ、感謝を向ける時間です。宗教というより、自分がどこから来たのかを静かに思い出し、家族や縁に「ありがとう」を伝える機会として過ごしてみてください。8月中旬は、平和や大切な人を思う、静かな祈りの季節でもあります。
海外にお住まいの読者の皆さまも、この時期に、これまで自分を支えてくれた人や出来事を思い浮かべ、心の中で「ありがとう」とつぶやいてみてください。感謝は、良い運を受け取る器を整えてくれます。
満月と月食で締めくくる 8月28日
8月28日13時18分(日本時間)、8月の満月を迎えます。そしてこの満月は、魚座で起こる部分月食でもあります。月の9割以上が地球の影に入る、ほぼ皆既に近い深い月食です。
北米の読者の皆さまへ。今度はこの月食が、皆さまの空のものです。8月27日の夜から28日にかけて、南北アメリカの広い範囲で観察できます(日食用グラスは不要で、肉眼で安全に見られます)。一方、日本ではこの時間帯が昼にあたるため、月食は見られません。
星占いは科学的に証明されたものではありません。 西洋占星術では、8月12日の日食(獅子座)で開いた「区切りと始まりの季節」を、この8月28日の月食(魚座)が静かに閉じるとされます。始まりで開き、手放しで結ぶ。今月は、天のリズムそのものが、8月の物語をきれいに囲んでくれているのです。
8月の吉日 と 数霊「八」
暦の上の吉日も、今月の「始まりと手放し」に寄りそっています。
新しいことを始めたいなら、8月18日(火)がおすすめです。この日は「甲子(きのえね)」といって、干支の60日周期の最初の日。ものごとの出発点とされ、しかも「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」、つまり小さな一歩が大きく実る日とも重なります。新しい習慣や目標の種まきに、これ以上ない一日です。同じ一粒万倍日は、8月3日、13日、25日、30日にもめぐってきます。
金運に心を向けたいなら、8月23日(日)。処暑と同じこの日は「己巳の日(つちのとみのひ)」で、弁財天とご縁が深い、お金にまつわる縁起の良い日とされます。大安とも重なる強い日です。ただし正直にお伝えすると、この日は「不成就日」という、ものごとが成就しにくいとされる日取りも重なっています。大きな契約や勝負よりも、お財布を整える、感謝とともに小さな貯金を始めるといった、静かな行いに向いた一日と受けとめるのがよいでしょう。
そして今月の数字は「八」。日本では古くから、末広がり(八の字が下へ向かって広がっていく形)にちなんで、八は「これから先、豊かさが広がっていく」縁起の良い数とされてきました。手放してできた余白から、運が末広がりに広がっていく。8月の「八」は、まさにそんな月にふさわしい数字です。
おわりに 手放した先に、運は末広がりに
日食で始まり、月食で閉じる8月。その間に、立秋が暦の秋を告げ、お盆が「迎えて、敬い、送る」ことを教えてくれます。葉が散るのは終わりではなく、次の芽のための準備であるように、手放すことは、新しく始まることの、はじまりなのです。
今月はどうぞ、時々空を見上げて、いらないものをそっと手放してみてください。あいた余白から、あなたの運が末広がりに開いていきますように。
運は、育てるもの。